構想ノート(3)

【魔法王国スフィア】
スフィア王国には複雑な事情がある。

現国王(イスマル)にはリヴェル王家から迎えた正妻イゾルデとは別に、
隣国レスティア王家からもカトリナという女性が側妃(第二夫人)として迎えられていた。
いずれも国家間の利害が絡む政略結婚である。

イゾルデが生んだ子供は、嫡子となるシモン王子13歳(年齢は事件が起きた1021年の時点、以下同じ)と一つ年上の姉であるシビル王女。
カトリナはマシウスという15歳の王子をもうけているが、彼女自身はその5年後に王女を出産、その幼子と共に行方知れずになっている

この当時、島を席巻した流行病のために、イスマル王も重篤状態にあり、臣下たちは時期国王として嫡子シモンの擁立を急いでいた。
だが、これに危機感を抱いたレスティア王は大金を投じてスフィアの大臣たちを買収し、自分の甥であるマシウス王子の擁立を工作した。

商人上がりで、腹黒く欲深い宰相ギースは、大金に目がくらんでこの話に乗る。そして考え抜いたすえに、妙案を思いついた。
街の女性たちに絶大な人気を誇る舞台俳優を、大金と脅しによって言いくるめ、自分がイゾルデの愛人であったと言わせたのである。
王族婦人の姦通は極刑に値する重罪である。その子供とて罪から逃れられない。

ギースらは病床にあった国王に何も知らせぬまま、俳優に対しておなざりの裁判をし、(ウソの)証言を得るとただちに処刑した。
そして、イゾルデに激しい拷問を加え、(二人の子は王の子ではないとの)自供を引き出したのである。

この結果、イゾルデと二人の子は、王宮の地下にある石牢に監禁された。
臣下は王族に手を下せない法律があり、また王が重篤状態であることから、彼女たちを石牢の劣悪な環境におき自然死を狙ったのである

そして一年後(Sc1022)、国王は死に、ギースらの狙い通り、マシウス王子(16)が王位に付いた。
だが王となったマシウスは、ただちにイゾルデ事件の再審問を命じ周囲をあわてさせた。

マシウスはギースらに阻止されて先王が在位中は地下牢に近づくこともできなかったが、この事件にキナ臭い匂いを感じとっていた。
イゾルデが善良な婦人であることは知っていたし、シビルたち姉弟は幼い頃から親しみ遊んだ、自分にとっても大切な兄弟である。
ギースら複数の大臣が父王の病気を良いことに、国政を私していることにも腹を立てていた。

この動きに狼狽したギースは、あわてて地下牢に足を運んだ。
看守の報告で、すでに王妃と王子は衰弱の果てに死亡し、王女シビルだけが、かろうじて生きていることは知っていた。

地下牢の最深部に足を踏み入れると、そこは異様な臭気に満ちていた。重罪人らの朽ちた遺体や遺骨があちこちに散乱し、
無数の虫が、湿った石の床を我が物顔に支配している。あちこちで黒く小さな生き物が蠢いて、遺体を齧っている。

ギースは看守の後に続き、恐る恐る、シビルがいるという監房に足を進めた。
真っ暗な石牢の中を覗き込むと、壁にもたれて座り込んでいる、小さくやせこけた人影が見える。
それは、壊れて捨てられた人形のようでもあり、胸骨をさらす飢えた狼のようでもあった。

ギースは凍りつくような恐怖を覚えた。あわててて振り返り、側近の男に言う。
「すぐに処刑して城外に埋めよ。誰にも知られてはならん!」
「ハッ ただちに!」
そのとき、地下牢の入り口付近で、何者かの声がした。
「殺すのはもったい、いらぬなら、そのむすめは、オレがもらう」

せつな、閃光が地下牢を走り、ギースらはそのまぶしさに視界を失った。
そして、周囲が見えるようになったとき、シビルの姿は消えていた。
牢内には、かつては人であったろう、弐体の白骨が、残るのみ
ギースは口も聞けない。呆然とたちつくし、これから起こるであろう不吉な予感に、ただ恐怖するのみである。
--

それから10ヶ月ほどのち、スフィア王宮で凄惨な事件が起きる。
一晩の間に国王マシウスと大臣たちの大半が、見るも無残な姿で惨殺されたのだ。
特に酷かったのが宰相のギース。地下牢で裸にされて縛られ、鼠や蟲に喰われながらゆっくりと殺されたらしい。
王国は騒然となり、地方からも諸侯らが集められ、今後の対応を協議した。

王族は全滅して残るは行方知れずのシビル王女のみ。
諸侯らは手分けして王女の行方を探した。
そして人々が諦めかけた1024年の秋、その王女が王宮に忽然と現れたのだ。
強烈な威圧感で諸侯を睥睨するその姿に気弱だった少女の面影は無く、
シビルの教師だったロラン伯爵は我が目を疑った。

シビル王女は17歳にしてスフィアの女王となり強圧的な政治を行うようになる。
(従兄弟の)ルキウス王と同盟を結び、国境を閉ざし、強力な魔道軍を組織し、
そして・・




アトルは神殿に来て4年になる。

最初の頃はなれない生活で不安もあったし、母親から離れてさびしくもあったが、それはほんの数ヶ月のことだった。
教母のネイリさまは、それまで思っていたイメージとはまったく違った、
気さくで暖かくて、時には冗談を言う、優しいねえさまという感じ。
共に暮らす巫女やシスターたちとも、皆同じ年頃で、すぐに仲良くなれた。

中でもアリシャは一番のともだち。
まだなれなくて、さびしくて一人泣いていたとき、アリシャが隣にきて、手を握ってくれた。
「わたしも2月にきたばかりなの、さびしいから、おともだちになってね」そういってくれて
すぐに仲良くなった。歳はひとつ下だけど、とてもしっかりしてて、ドジな私を気遣ってくれる。

ラーナ(母)の大神殿は、中央にとても広い庭園があって、その真ん中に、私たちのいる「聖環の塔」がある。
神殿の三階から空中回廊で結ばれていて、どの建物より高く美しい。
塔の中央には魔法の結界があって、教母さまと私たちの世話をしてくれるシスター以外は、巫女しか入れないそうだ。
結界をくぐると塔の最上部にあるフロアまで瞬間的に移動する。そのフロアの中心にネイリ様の「祈りの間」があり、
それを取り囲むようにして、少し小さめの部屋がリング状に7つ繋がってる。

最初見たとき、室内が丸いことにすごく驚いた、でも、室内だけじゃなかったの。
バルコニーも丸く突き出てるし、お風呂も、家具も、円を基調にしてデザインされてる。
建物全てがリングを象ってる理由は、ネイリ様が教えてくれた。
リングはウエスタ神の力を得る聖なる印(しるし)、マグルストーンの封印に不可欠なものらしい。

そういえば私の足にも‥ウエスタさまの聖なる環が付けられている。
儀式があると聞かされて、最初はとても怖かった。
ネイリさまの祈りの間の中央に、美しい海のような色をした祭壇があって、
「目を閉じて、ここに横になりなさい」と言われて、恐ろしかった。

でも、横になって目を閉じると、白い光に包まれる気配がして、
たくさんの、なにか、が降りてくるような、不思議な感覚に襲われた
左のふととも辺りが瞬間、痛くなって、思わず声を漏らしたら、
「大丈夫だから」と、ネイリ様の優しい声が。
そのあとは、とても良い気持ちになって、そのまま眠って‥
気が付くと、ネイリさまが詩をうたってらした。
それはお母様の子守唄のように、暖かくて心地よくて、
私は満たされた気持ちでいっぱいになって、
再び、深いねむりのなかに、落ちていった

そして私は、闇の石を封印する、星の巫女様になりました(てへ
とても大変なお仕事だけど、仲良しのお友達たちと一緒に楽しくやってまーす
(薄い本用w)
--
ウエスタの巫女(聖環の少女)につてい

【昇聖/離聖】
昇聖とは民間の少女が神に召されてウエスタ神殿に上がることを言い、離聖とは勤めを終えて民間に戻ることを言う。
これは「巫女」に限った言い方で、他の神官は自らの意思により「誓願」し「下俗」する。
巫女はウダガルの末裔である7~15歳の少女から教母ネイリが選択する(選択基準は不明だがウエスタの神託と言われている)
この世界では16歳が成人として認められる年齢、巫女の力は若いほど強く歳とともに衰える(婚姻すれば消失)
ゲームでは明らかにしないが、この7歳というのは初潮を迎えた女性という意味であり、実際は年齢で決まるものではない。
[これはローマ時代の史実に基づいている]

【昇聖の儀式】
先のメモではぼかしたが、巫女の儀式は「水」を以って行われる。
古代の宗教儀式を模したもので、これはキリスト教(聖水wiki参照)、仏教(沐浴)などの儀式で今なお広く行われている。
1)祈りの間の中央の祭壇に青い水晶で作られた半円球の水槽がある(のぼり会談は7段)
2)巫女は全裸になり水の中に身を横たえる
3)教母が祈りをささげると尖塔上部の天窓(ダイヤモンドのような硬質の青いガラス(アマタイル)でできている)を通して
天空からエトス(神の恩寵=キリスト教ではエヴァンゲリオン)が舞い降りる。
4)エトスは水を介して巫女の身体に流れ込み、同時に、祭壇の周囲にある7本のアマタイルの柱の中の、守護者がいない
聖環(マグルストーン(魔石)、あるいはエメラストーン(聖石)が埋め込まれた魔法の足環)が、巫女の足(大腿部の高い位置)に
瞬間移動し、装着される。
5)教母はさらに祈り続け(これは巫女には子守唄のように聞こえるらしい)、およそ6時間ほどで、儀式は終了する。
6)離聖の方は簡単で、18歳になるか、婚姻するか、死ぬか、で自動的に聖環は失われ、祈りの間のアマタイル柱に戻る。
7)聖環が戻ると教母は次なる候補者の選定に入る。マグルストーンはその間浄化がとまり、エメラストーンは力を失ってゆく。
*通常の場合(つまり巫女が17歳を越えると)、次の候補者が決定され、両親にその旨伝達される。
家族の昇聖は大変名誉なことであり(拒むことができないわけではないが)通常は喜んで受け入れる(国家の名誉となる)
ニーナもアリシャも、この決まりによって、事前に巫女となることがわかっていた。

[ラーナ神殿/巫女たちの生活]
巫女たちの日常は、現実の修道女のような暗いものではなく、良家の子女が入る全寮制の名門女学院をイメージしてもらえばよい。

7:00 起床
7:30-8:30 朝礼。といってもネイリを中心に車座になって話を聞くだけ。
英雄の話や神話の話などを、少女たちにもわかるように、優しく、楽しく、話してくれる。巫女たちはこの時間が大好きだ
8:30-9:30 朝食
10:00-11:00 短い休憩を挟んで「祈りの時間」が始まる。いわゆる「お勤め」。祈りの間でネイリと一緒に祈り続ける。
11:00-13:00 休憩の後、正午から昼食
13:00-16:00 自由時間。聖環の塔から出て、太陽の下で自由に遊ぶ
16:00-19:00 勉強。神殿の司祭から俗世で必要なことを学ぶ。読み書きや礼儀作法や一般常識や、望めば高等教育も受けられる。
19:00-21:00 夕食。神殿のシスターやブラザーらとともに、ゆったりと食事を取る。
21:00-23:00 夕食が終わると教母とともに塔に戻り、外出はできないが自由時間となる。23時消灯。

今思い出しましたがジャンヌダルクもそうですね。これは史実として記録に残っていますが、彼女が神の啓示を受けて
フランスの王太子の下を訪れたときも、まず最初に調べられたのは、「処女であるか否か」ということでした。
文明が発達した現代では考えられない「人権無視」ですが、この時代(わずか500年ほど前ですが)、
神から愛されているかどうかは、聖職者や統治者だけでなく、全ての人々にとって最も重視すべき問題でした。
「神が人の上にあった時代」とは、戦乱相次ぐ「暗黒の時代」でもありました。
何かにすがらなければ生きてゆけない人々にとって、神は現実に存在し、非合理であるかどうかなどは、考える暇もなかったのでしょう(余談)

誤解があるといけないので補足しますが、今回のゲームでキリスト教的な宗教観は一切ありません。
この作品は若年向けのヒロイックファンタジーであり、史実はあくまくで「参考」です。
史実には暗いものが多く残虐な部分も多い。性的な描写(略奪・暴行など)にしてもストレートに描くことはできない。
(とはいえ、世界観に直結する部分では、たとえばBSイゼルナ加入時のような、ぼかした表現はあると思いますが)

ではなぜ史実との絡みを説明するのかというと、
剣と魔法の戦記ファンタジーは、(小説・アニメなどの作品も含め)、現実の神話・伝承・歴史を元に構築したものであり、
史実を知らないと、実にすっぺらいものになる。
指輪物語のトールキン教授は言うまでもなく、ガンダムと富野さんや、アルスラーンの田中さんや十二国記の小野さんらも、
実に良く歴史を研究されているし、そうだからこそ、長く愛される作品が書けたのでしょう。

ヴェスタリア年代記(7つの聖環)は、アングロサクソン(7王国)年代記を下敷きに、ローマが世界帝国であった時代の西欧世界をモデルとし、
ローマ神話やギリシャ神話などの要素を借り入れ、複雑で簡単な(笑)、歴史物語を目指しています。
エピソードは実際の歴史から借りたものが多いですが、それをつなげてかき回し、ドロドロしたもの、爽快なもの、ラノベ風なもの、
少女漫画風なものも取り入れて、MAP攻略に飽きが来ないよう、目下構想を続けています。

商業作品が嫌なのは、ネツトで情報がすぐに拡散し、せっかく考えた仕掛けや物語が、意味を成さなくなってしまうこと。
その点、同人作品なら2ちゃんにスレがたつこともないし、昔のゲームのようにじっくりと攻略が楽しめるでしよう。
プレイヤが、最後までハラハラドキドキしてくれる、そんな作品ができれば、良いですね!(余談)

【ノルデン部族連合王国】
ヴェスタリア北東部(ノルデン地方)に位置する先住民の連合国家。
この地方は高い山脈が連なり、冬になれば一帯が豪雪に見舞われる。
山間には小さな部落が点在し、住民たちは主に酪農(放牧)によって細々と生活している(スイスのようなイメージ)
ゆえにこれといった産業もない。、唯一「傭兵家業」が国家経済を支えているという、ヴェスタリアでも稀有な国である。

ラウロス山の南東あたりには、古来より「飛竜」が生息しており、ノルデン人はこれを調教して
騎獣となし、戦いに用いることで圧倒的な力を発揮する。
竜騎士一騎で百人隊を全滅させることもあり、他国からは、高額な傭兵料を支払ってでも雇う価値があると見られている。

ノルデンには7つの独立した部族があり、それぞれが300から600騎の竜騎士を要している。
中でも有力なのは現国王を輩出しているマゼル族と、これに敵対するバイジャン族。

マゼルの族長(王)には、エダルという18歳になる孫がおり、王は自分の後をエダルに継がせたいと考えている。
そのため第三勢力の部族からミンカという14歳になる娘を嫁に迎えエダルには有無を言わさず婚礼の準備を進めた
二人は幼馴染であるしミンカはエダルを慕っている。
エダルの竜騎士としての能力は全部族中でもトップを争うほどで、信望もあり、結婚すれば次期国王として推戴されるのは間違いない。

ところが、である。
結婚式の、その当日、エダルは花嫁の前から姿を消した。半年たっても戻ってこない。
年老いた国王は、他の部族を掌握する力を失い、ヤザンの若き族長ジグマの力が日に日に強まっている。
ジグマはミンカを妻にすれば王位は確実になるし、もともと好意を持っていた少女でもあるので、事あるたびに言い寄っている。
しかしミンカは「自分はエダルの妻だから」と拒絶するばかり。

エダルは祖父の意のままになるのが嫌だった。
ミンカは嫌いではないが結婚などまだ早いし、無理やり押し付けられるのは我慢できない。
しばらくは自由でいたいし、王になるなんて真っ平だ。

そういう気持ちから、子供の頃から相棒であった飛竜に飛び乗り祖国を後にした。
半年の間、島内各地を放浪し、傭兵として糧を得ながら自由な旅を楽しんでいる

その頃、祖国ノルデンでは、しつこく言い寄る男を恐れて、一人の少女が旅に出た。
やがて二人は、数奇な運命に導かれて、再会を果たすのだが‥
(エダルは前半においてはプレイヤーの反感を買うだろう、そういう[無責任な]人物像形にする予定)
--

【ゼクスリアス】

ゼクスリアスには忘れられない人がいる。
10年ほど前、15歳でソルヴィアの帝都セルロンに留学したゼクスは、その地で一人の女性とめぐり合った。
町外れの森で盗賊団に襲われて重症を負い、生死のふちをさまよっていたゼクスを、数日にもわたり介護してくれた、
優しく、物静かで、神秘的な雰囲気を持つ女性である。

年齢は10歳近くも上であったろうか、その美しさは美の女神ハイネに見紛うほど、ゼクスはあっというまに恋に落ちた。
傷の痛みも忘れて幸福な時間を過ごし、あれほど重症だった傷も驚くほど早く癒えた。

そして別れの時が来た。未練を残すゼクスは女性から「この森は危険なのでもう二度と来てはいけない」と言われたが
どうしても忘れられない。一週間の後、吸い寄せられるようにして再び館を訪れた。

だが館には彼女の姿はなく、一人の老いた庭師が佇むのみ。
ゼクスは庭園に分け入り、老人に彼女の所在を問うた。

老人は下卑た目つきでゼクスを見上げると
「それはわからんよ、ふらっと来て、ふらっと立ち去りなさる。この館は帝都の貴族様の所有じゃからの、
わしは、ホレ、これじゃないかと思うとる‥」と小指を立て、クククと笑った。

ゼクスの不快そうな顔を見ると老人は得意顔に、
「あの女は魔女なんじゃよ。あの美貌で男を虜にすると、この辺りじゃもっぱらの噂じゃ
あんたも犠牲者の一人みたいじゃが、喰われんように気をつけなされや、ふぉふぉふぉ‥」と

ゼクスは老人の胸倉をつかみ、悲鳴を上げる間も無く貴族の名を問いただすと、帝都に駆け戻った。
貴族の館を訪問し、何度も追い返されながら、一月後にようやく面会が適い、女性の所在を問うたのである。
貴族は誠実そうな男だった。

「そうか‥ヴェニスさまにな‥
まあ判らんでもないが諦めることだ。
彼女は紅玉の女神、我らとは住む世界が違うのだよ」

後は何を聞いても答えない。ゼクスもなぜか、それ以上は問えなかった。心の中では判っていたのかもしれない。
しかし、その面影は消えることなく、十年たった今も、ゼクスの心の中に確実に存在している。

そして1024年の春、黒森の戦いが起きた。
敗戦の中、炎に焼かれて重度のやけどを負い、死線をさまようゼクスの前に、彼女は忽然と現れた。
十年前と何一つ代わらない、出会ったときの若く美しい姿のまま・・・
彼を抱擁し「・・・あのときの‥」と呟いた。

ゼクスの意識はそこで途切れた。
彼のエトス(魂)は身体を離れ、女性の口に、吸い込まれたように、見えた

女性は帝国の将兵らに「紅玉の魔女」と呼ばれ、恐れられている、皇帝の側近の一人。
名を、ヴェニスという。
--

「時代考証」の話
大昔の話ですが、某ゲームで「ドンパチは迷惑だ」みたいなセリフを書いたことがあり、
プレイヤから「銃器のない時代にドンパチはおかしい」という指摘を受けて大変恥ずかしい思いをしました。
TVドラマや映画を見ると必ず「時代考証」を担当するスタッフがいることは皆さんもご存知だと思いますが、
過去の時代を舞台にして創作をする場合は避けては通れない重要なことです。
子供や若い年代を対象とする作品であったしても、「間違い」を教えることは大変恥ずかしいですし、
詳しい者からすればそれが例えファンタジーであったとしても、幼稚でアホくさく思えてしまいます。
たとえば中世を舞台にした作品で「肥料を買う」とした場合、それだけで現実感が遠のきます。
現代の肥料は工場で生産される「化学加工品」だから売買されるのであって、
19世紀までは肥料といえば人糞、獣糞、腐った植物しかなく、それをわざわざ買うような農民は存在しません。


また敬語の使い方や、言葉の持つ意味も、過去の時代を扱う場合には大変重要です。
山賊のボスが指揮(官)でないことは前にも言いましたが、臣下が君主に対して使う言葉にしても、
その一つ一つが、双方の関係性を示す重要なキーワードになります。
これは私自身も大変苦労するし、間違うことも多いのですが、作品として世に送り出す以上は留意すべき重要事項だと考えています。
テキストをアシスト、チェックする方は、そういった点に注意して制作協力をお願いします。

中世の封建体制において地位を表す位階の名称は、日本では中国の爵位を流用しているのですが(日本で用いられるようになったのは明治以降)、
簡単に言うと
皇帝>王>大公>公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵
ということになります。
西欧の中世で例えるなら
神聖ローマ帝国は皇帝、フランスは王、サヴォイア公国(北イタリア)は公爵で、それぞれが自立した国家です。
公国は南欧を中心に無数にあって(一つの都市が一つの公国)、戦国自体の日本の大名と同じです(戦国大名=公国と考えて差し支えありません)
そういった爵位を誰が与えるのかというと、皇帝や王なわけですが、代々受け継がれている爵位は王であってもそう簡単に奪えません。
日本の場合であれば「薩摩守(=鹿児島県知事)」「薩摩介(=鹿児島県副知事)」とった官位が西欧の爵位に相当しますが、
これももともとは朝廷が叙任していたものが(天皇の代理としてその地方を治める)、いつのまにか有名無実になって、
忠臣蔵の吉良上野介みたいに単なる「飾り」となってしまったわけです。
ヴェスタリアも神聖ローマ時代の封建制度を基準に世界を構築しています。
7つの大国に国王(総督)。ウエスタ神殿国に教母(=バチカン市国の教皇)、それぞれの王国に封建領主=公爵や伯爵(族長もこれに相当)
公子と言う言葉には二つの意味が合って、一つは広く貴族の子息をさす場合、もう一つは公爵家の息子です。(公女も同じ)
英語では公子=プリンス、公女プリンセスとなり、プリンセスセーラが日本では「小公女セーラ」となるわけです。
神聖ローマの有名な将軍、プリンツ・オイゲン(TSオイゲンの元ネタ)も日本でいうならオイゲン公子ですね。
艦これネタではありません(笑)
--
(追記)
上で某大型掲示板の事に触れていますが、現在はそう思ってません。ツイも含めうまく使って頂いてると思います。
尚、2部を作る際の足枷になりますから資料公開はココまでにします。(2部を作ると決めたわけではありません)
2部が簡単に作れない理由は
・膨大な時間と体力が必要
・1部はお遊びとして楽しかったが2部制作は(同じ作業の繰り返しなので)飽きる可能性
・現スタッフにこれ以上の無償奉仕は頼み辛い、新たに人を集めるのは面倒
辺りでしょうか。たくさんの方から要望を頂いているので何とかしたい気持ちはありますが、
今以上のモノを作るとなればやはりコストがかかります。だけど私はカネを絡めたくない。難しいのです笑

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