ラズベリア帝国の歴史

 ラズベリア帝国は紀元前13世紀頃に、他の大陸から渡ってきた異民族が先住民族を支配して興した国で、 現在のベール海南部から古代の森周辺(モーラ地方)に植民都市を 建設したのが始まりとされています。

 当時、この地方に暮らす人々は未開の状態にあり、 小さな部族国家に分かれて争っていました。 そうした中に突如として高度な文明と武器・魔法を 持つ民が現れたのですからひとたまりもありません
 異民族は数百という少数でしたがわずか百年あまりで南方部族はすべて滅ぼされ帝国に組み入れられました。 わずかな神官貴族が大多数の奴隷民を支配する「ラズベリア帝国」の誕生です。

 この帝国は一千年にわたり繁栄を続けましたが紀元前三世紀に起きた大地震で帝都(現在のベール海南部にあった)が海没したことにより衰退・滅亡しました。 陸続きだったナルヴィアとモーラ(ナルヴィア対岸)が 海峡によって分かたれたのもこの時です。元々は湖であったベール海はこの時内海となり、 大陸はモーラ海峡の激しい潮流によって東西に隔てられました。 支配階級であるラズベリア人はそのほとんどが帝都に暮らしていたため(法律で先住民との混血を禁じていた)、 地方に暮らす少数の者を除いてこのとき絶滅しました。支配層を失った帝国は無秩序な状態に陥ります。 この後2世紀の間、帝国は激しい内乱と奴隷反乱、さらには 周辺蛮族の侵入が続き社会は混乱、文明は失われてゆきました。 「ラズベリアの失われた時代」と言われています。

 大災害から二百年余り後、 枯れた落ち葉を拾うようにして、東方の一部族長が権力を掌握しました。 彼は高度な知識と魔法力を持つ一人のラズベリア神官と手を組み、 勇猛な部下たちを率いて旧帝国領土の大半を制圧しました。そして、旧帝国の制度や宗教を継承し、天空神(戦神)ラーズを 唯一神とする新たな専制国家を創設したのです。 ラーズ王朝は、これを帝国暦元年として 以来600余年、安定した繁栄を続けます。

 これとは別に、帝国北西部に住む奴隷農民たちの中に、 ヴェリアという女神(大地母神)を崇拝する人々がいました。 元々ヴェリアは多神教のラズベリア帝国にあって至高神ラーズの姉であり、妹であり、妻であり、娘であり 実りの神、守護の神、慈愛の神、安産の神として崇拝される 偉大な神でしたが、苦難に喘ぐ農奴たちには 特に強く信仰されていたようです。彼らは大震災後の混乱した状況の中で ヴェリアの教えに基づく自治国家を創設しました。 帝都から追放された神官たち(彼らは農奴制に反対していた)が その中心的な存在でした。 この「自由ヴェリア共和国」は、周辺地の逃亡奴隷を吸収し 一時期100万を超える勢力に成長します。しかし東に興った蛮族の王朝は彼らの存在を認めようとせず、 およそ50年にわたって両者は激しい戦いを繰り広げます。 戦いはさらなる憎悪を呼び、殺戮を繰り返している間に 両者の感情は修復不可能なまでに悪化します。抗争は果てしなく繰り広げられましたが、 東方蛮族の力と数の前に、共和国は徐々に後退し、 やがて凄惨な宗教弾圧が行われるようになります。

 そういった状況の中で一人のヴェリア神官が現れます。アラムグルズという名の純血のラズベリア人ですでに30年以上を奴隷解放と救済のために尽くしてきた人物です。彼はラーズ王国との共存を訴えていたのですが、 この頃にはヴェリアを唯一神と信じる民衆を抑えきれず 少数派として疎外されていました。 しかし蛮族らによる虐殺を目の当たりにして 、アラムグルズはついに意を決し、民衆たちに西方への移民を呼びかけたのです。

 帝国暦の22年。アラムグルズに従う十万余の民が 西に向けて旅に出ます。 ベール海に沿ってサキリア砂漠を北上し、 ペシル山岳民の襲撃から身を守りながら ベール海の北辺に達して西に進み、 いくつもの山脈を踏破して 翌年にセヴァールの大河に到達しました。
大河の西は彼らにとって未知の土地でしたが、 そこは思いもよらぬ別天地でした。 見渡すばかりの草原に針葉樹の森 二つの大きな湖とそれを結ぶ幾筋もの河があり、 土地は豊饒で石材や鉄などの鉱物資源も豊富にありました。彼らはこの土地を「エルタナ(麦と乳と蜜が溢れる神話上の国)」と呼び 新たな共和国を創設したのです。
 都市の建設を見届けたアラムグルズは 数巻の著書と孫娘を遺して世を去ります。 人々は彼の死を嘆き建国の父として長く記憶に留めました。

 弟子たちは、残された著書を元に「ヴェリア教団」を設立し その教えを永久に教え伝えることを墓前に誓います。 残された孫娘が、初代の「ヴェリアの巫女」となり、 その血脈ははるか後年のサナーキアまで続くのです。今日用いられる「ヴェリア暦(王国暦と言う場合もあるが厳密には間違い)」は、 アラムグルズが息を引き取った日をその始まりとしており、 Rac(帝国暦)27.11.14がヴェリア暦のVac1.1.1にあたります。

 アラムグルズが斃れたのち、エルタナ共和国に危機が訪れます。この地方の人口は希薄ですが、まったくゼロではありません。周辺に暮らす先住部族との接触はすぐに始まりました。多くは温和な人々で、交易なども進んで求め、平和的に共存できましたが中には武器を以て襲撃し略奪する部族もありました。エルタナが繁栄すればするほど、その脅威は増してゆき、 特にVacの50年前後は国家存亡のときでした。 エルタナの膨張に危機を感じた周辺部族が連合して首都を包囲し、 城壁を挟んで3年もの間、激しい戦いが繰り返されたのです。貴族(寡頭)共和制であったエルタナはこの危機に 迅速に対応できず、城壁の崩壊寸前となっても 議員らは不毛の議論を続けるばかり。 この状況を憂いた一世巫女ヴァレンティアは 民会(非常時に召集される平民たちの議会)の要請を受けて 貴族議会を解散。アーレス将軍に全権を委ねます。アーレスの一族は(征西)の初期からアラムグルズの右腕として 軍事を司ってきた名門貴族で知勇に優れた人格者として 民衆からも絶大な支持を得ていました。 国民はアーレスの下に一致団結して戦います。 一年を経ずして近隣の蛮族はすべて討伐され、 エルタナ共和国の危機は取り除かれました。

 民会は王政への移行を決議し、 初代国王をアーレスとすること、 王位の継承は巫女の同意が必要であること、 国名をヴェリア王国とすること、 の三点を巫女に求めました。この後、多少の紆余曲折はありますが、 ヴェリア暦62年、アーレス一世国王を専制君主とする ヴェリア王国が誕生したのです。 王都はエルタナ(現在のバレムタイン)、その国土は 現在の王国領の2割にも満たない弱小国家でした。そして、それから半世紀後に、領土拡張を続けるラーズ帝国と レイア地方の帰属をめぐって争いが起こり、 現在にいたる500年間、戦いは続いているのです。

BSラズベリア経路



(補足)
魔法を使う力はラズベリア人固有のもので血が濃いほど高度な聖玉を使えます。建国時にはアラムグルズを含めて数百名の純血ラズベリア人がいましたが現在まで保たれているのはごく少数です。また巫女家に男性が生まれても一切の資格はありません。これはアラムグルズが定めたものでかつての帝国が再興するのを恐れたからです。通常は一神官として生を終えます。

初代の巫女ヴァレンティアは70歳まで「巫女」でした。二代は孫娘のセレンティアでサナーキアは27代目です。誰を後継者にするかは巫女が一族の中から選びます。(巫女生存時)

ラズベリア人の祖先は祖国を逃れたゾーア人の一派です。ガーゼル教国の滅亡により報復を恐れた人々が未知の海へと旅立ちモーラに漂着しました。必ずしも悪人ばかりという訳ではありません。これは過去の公開資料にもありましたね。
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