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BS世界と人物。(8)エニード

[序文]
正しい歴史を後世に残したいという思いから私はラズベリア年代記の編纂に人生の大半を費やしてきた。
歴史は人が作るものである。
ゆえに私は、激動の時代に生きた英雄・諸侯・庶民の姿を、可能な限り忠実に描いてきた。
だが今日に至るまで、どうしても書くことができなかった人物がいる。
その理由については後に述べるが、英雄列伝を完結するためには、これ以上避けることはできない。
もしも客観性への疑義が生じたならば、それは私の不徳の致すところである。
読者諸氏には予め、断りとお詫びの言葉を記しておく。

これは、第4次ラズベリア戦争においてローランド公国再興のシンボルとなった「炎の乙女」こと、
エニード・ワーレンハイト公爵夫人の物語である。
※文中における人名・事象については索引を付記したので刊行済みの拙著を参考にされたい。
[クレイマン7世の御世27年。帝国暦658年7月7日、レオグラード大学 Dr.D_Almurtの執務室にて]

[生誕-幼年期]

エニード・ワーレンハイト公爵夫人(以後はエニードと記す)は王国暦604年の11月に、レイア王国北辺のタズベリーの村で生を受けた。父親はベングリオン・ゴッデグラム(576-604)である。
彼はヴェリア教団内の精鋭部隊、光輝騎士団所属の騎士隊長で、女神の騎士(バイエル)の称号を持つ勇将であったが、
レイア王城陥落時(604/3/10)に妻や義姉母子を逃亡をさせるため自ら盾となって戦死した。享年28であったという。

母親はレイア王国の第二王女フェリアーヌ・グロウデル(585-617)。レイア王国の第二王女であり古代魔法パラスレイアを受け継ぐ14代使徒(*3)である。
セヴァール川の敗戦(603/5)で父が戦死し、ベルナード王子が囚われたのちもレイア城に立てこもり、姉とその子供たちを守り続けたが内部の裏切りとラーズの参戦により王城が陥落。アルテミア母子を守って城を脱出した。フェリアーヌは夫と運命を共にしたかったが、大切な姉とその子らを死なすわけにもゆかず、また自らも子を宿していたため、やむなく夫の言葉に従った。

そんな苦渋の中での逃避行であったが、山中で母子を見失い*4、彼女自身も疲労と貧血で倒れたところを、通りすがりの猟師に救われタズベリーという山村(抵抗組織の根城であった)に身を隠した。
その後も仲間らとともに抵抗を続けるのだが、兄であるレイア王がモルディアスに服従し、また彼女自身も出産によって体力が衰えところを、ロズオーク公爵率いるナルヴィア公国軍に包囲される。

屈辱を受けるくらいならいっそ自害を、と覚悟したフェリアーヌであったが、生まれたばかりの我が子を巻き添えにすることもできず、また対面したロズオーク公爵が誠実な人柄であっため、彼の説得を受け入れ、エニードを託して、自身は北の辺境へ逃れるのである。

エニードは公爵に大切に保護され、ナルヴィア帰国後に子供の無かった娘夫妻に託された(エニードは生後2ケ月)。
義父はローラント公国の太守、ミハイル・ワーレンハイト公爵。養母は公爵夫人のカテリーナ(ロズオークの長女)である。
三人以外に彼女の秘密を知る者はなく、公爵夫妻の実の娘として疑う者もなく、エニードは夫妻に愛され、何不自由もなく、すくすくと、素直で愛らしい少女に育っていった。

一方、北に落ち延びたフェリアーヌ王女は、一時期リアナ王に匿われた後(身を隠す間、王女アイギナの乳母を務めていた)、さらに北へ逃れ、マイフェルという無法者であふれる街に落ち着く。

そしてこの街で、悪党たちにこき使われていた孤児の少年、‥エニードにとっては後に運命の人となる‥、魔道士ペルスヴェルと出会うのである。
(以下、次回)

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