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構想メモから

アトル

先にも述べたように、メレダの王女アトルフィスは、9歳で星の巫女に選ばれウエスタ神殿に入った。それから5年間、ウエスタのラーナサンクチアで幼い日々を過ごした。巫女は神殿に入ると外界からの情報を一切遮断される。邪念なく祈り続けることで、浄化が早まるからだ。しかし唯一の例外として肉親に不幸があれば見舞いのために祖国へ帰される。

アトルは14歳になるとすぐに、母親の危篤を知らされた。教母の許しを得て帰国し、2か月余の間看病し続けたが、その甲斐なく母親は没した。その時心の支えになってくれたのがゼクスであり、父から将来のこと(巫女から解放され現世にもどればゼクスの妻になる)を聞かされたのも母を失った直後である。本来ならば葬儀の後すぐに神殿に戻るべきであったが、帝国軍との戦いが起こり、父親や兄たちが戦死。その知らせにアトルは昏倒、しばらくは立ち上がることさえできなかった。ゼクスは彼女が回復すると「ただちに神殿にお戻りを!王女には最も安全な場所です」と何度も説得したが、神殿に戻れば再び外界とは遮断され、国の行方もゼクスの安否もわからない、なによりゼクスのそばを離れるのはいやだとアトルは拒んだ。
困り抜いたゼクスは「では我が弟ゼイドとともにベネキアでお待ちください。私も後から必ずまいります」と説得し、ようやく送り出したのである。

ゼイドはアトルとほとんど面識がなかった。彼は兄とは違い、領地であるレデッサで暮らしており、王都に来たのは会戦の数日前である。平時なら、王女は雲の上の存在であり、視線を合わすことすら気遣う相手。それが突然、兄からの命令で、はるか西方のベネキアまで共に落ちろという。
アトルは2歳年下の14歳。兄の許婚者で慕っているのもうすうすわかる。若きゼイドにとっては、どう扱ってよいのかもわからない。ベネキアへ向かうガレー船内でも、ゼイドは結局、一言の言葉も交わせなかった。

リットン伯は議会で「歴戦の勇者」とゼイド紹介したが、実際のところ、彼に実戦の経験はない。
会戦に参加したくて父親の元を訪れたが、激しく叱責され、城に残された。無論、部下とていない。
敗走兵を取りまとめてゼクスが城に戻った翌日に、30名の騎士を預けられてアトルの守護を命じられただけである。
実戦経験こそないがゼイドの剣技は素晴らしく、それを教えたゼクスでさえ、ときに舌を巻く。
ゼイドならば王女を守ってくれるだろう---。歳の離れた兄弟ではあるが、2人は強い絆で結ばれていた。
「二人で力を合わせ、王国を再興するのだ」、兄ゼクスの、最後の言葉である。

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作業の合間に構想ノート(トピック)の記事から(ネタバレしない範囲で)掲載してゆきます。
作品が完成しない場合は読み物としてお楽しみください(汗)。また雑記のコピペなので誤字、文法の誤りはご容赦ください。

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